風邪気味でもないのに突然気持ち悪くなったり、お腹が痛くなったり、そんな経験はありませんか?それはもしかしたら食中毒が原因かもしれません。
夏場は特に食中毒の危険性が増し、テレビや雑誌などでも事件やニュースが頻繁に取り上げられています。最近では寄生虫による食事故も起きていて、食が多様化してきた現代だからこそ、食中毒含めて食に関わる不安は増すばかりです。
お子さんを持つ親となれば尚更で、予防法などは是非とも普段から身に着けてほしい知識です。今回は食中毒の原因、食中毒に対する予防対策、注意点などをまとめてみました。
もくじ
2 食中毒の予防と対策
3 家庭で出来る食中毒予防
4 まとめ
1 食中毒の原因とは
食中毒と言ってもその原因は沢山あり、種類によっては予防対策にも違いが出てきます。ここでは食中毒の原因について解説していいたいと思います。
食中毒の原因となるものは大きく分けて、微生物(細菌、ウイルス)、自然毒(植物性、動物性)、寄生虫、化学物質の4つです。
微生物(細菌・ウイルス)
食中毒と聞いて一番連想されるのはこの微生物が原因でしょう。細菌やウイルスによって引き起こされる食中毒です。細菌が育ちやすい6~9月は食中毒が多発し、特に注意が必要な季節です。冬でも安心はできません。冬に大流行するノロウイルスなどがあり、こちらもまた注意が必要です。
微生物は細菌とウイルスに分けて考えられます。二つの違いとしては大きさが違い、細菌よりウイルスの方が小さく、またウイルス単体では生存できず宿主に依存します。逆に細菌は自己増殖できます。
細菌は更に感染型と毒素型に分かれます。感染型は腸内で増殖して食中毒を起こし、毒素型は食品内で増殖しながら毒素を出し食中毒を起こします。
自然毒(毒キノコ・フグ)
自然毒とは、自然界にある植物や魚などを食べて起きる食中毒なります。植物性自然毒と動物性自然毒に分かれます。身近なもので言うと毒キノコやジャガイモの芽が植物性自然毒、フグの毒が動物性自然毒です。
植物性自然毒では、春先に山菜と間違えて毒を持つ植物を食べたり、秋にはキノコ狩りで毒キノコを誤食し食中毒になるとニュースが毎年流れます。動物性自然毒では、フグの毒は猛毒であまりにも有名で、フグ調理師の免許がないと扱えないほどです。
こういった自然に元々毒を持つもの、あるものを間違えて食べることが原因で起きることも、一つの食中毒なんです。
寄生虫
あまり馴染みがないかもしれませんが、例えばサバやイカに寄生しているアニサキスという寄生虫を食べてしまうことで、胃や腸に寄生され激しい腹痛を引き起こしてしまう、そういった寄生虫が原因の食事故が近年増加しています。
寄生虫が直接影響を与えてくるので、毒を出している訳ではないので少し食中毒という表現と一致しないかもしれませんが、これも食べ物を食することで引き起こされることが原因となるので、食中毒という扱いとされています。
化学物質
化学物質も人体に悪影響を与え、食中毒を引き起こします。洗剤や農薬、重金属などが主な原因となっています。農薬が引き起こす食中毒は時に、人為的に混入され引き起こされる食品事故などもあり、日本でも問題になっています。
重金属では、日本でも高度経済成長期時代に工場からの排水が原因で起こった、水俣病があり公害としても有名です。こういったものも食中毒に分類されます。
今でこそ法律や検査で化学物質を原因した食中毒は減ってきましたが、人為的な事故や事件を考えると、現代でもありえない話ではありません。
種類 | ||||
---|---|---|---|---|
微生物 | 細菌 感染型 病原性大腸菌O157、カンピロバクター、サルモネラ菌 | 細菌 毒素型 ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌 | ウイルス ノロウイルス、ロタウイルス | |
自然毒 | 植物性自然毒 毒キノコ、ジャガイモの芽 | 動物性自然毒 フグ、貝類 | ||
寄生虫 | アニサキス、クドア | |||
化学物質 | 農薬 | 重金属 | 洗剤 |
2 食中毒の予防と対策
食中毒の原因となるものはお伝えした通りですが、原因が分かれば予防対策も出来るものです。食中毒を防ぐ為に、三つの原則というポイントがあります。三つの原則とは、「つけない、増やさない、やっつける」です。これは飲食店でも実践されている予防対策なのでしっかり覚えてくださいね。
つけない
つけないとは細菌やウイルスなどを食中毒の原因となる物を付けないということです。厚生労働省のホームページに記載されているデータを見ても、食中毒事故の原因となるものは細菌とウイルスに集中しています。
ということは最初から細菌やウイルスをはじめとした、原因物質をつけないようにするのが予防に繋がります。手を洗い、まな板や包丁などのキッチン用品は定期的に殺菌消毒して、綺麗な清潔感あるキッチンに保つことで、食中毒を未然に防ぐ予防対策に繋がります。
増やさない
原因となる微生物を増やさないことも重要です。時間の経過で細菌やウイルスは爆発的に増殖していきます。
特に湿度や温度などの条件が重なると更に微生物たちにとって最高の環境となります。日本でいうと6~9月というのはそういった条件が重なり、食中毒の危険が増す季節です。
微生物などもごく少量であれば特に問題が無いものもありますが、それらが増えてしまうことが問題でもあります。過程で微生物が増えない環境づくりも大切です。しっかり冷蔵保存することも大事です。
キッチンにあるまな板は、包丁によって傷つけられたキズなどに、深く入り込んだ微生物が洗い落とし切れていない場合があります。普段見落としがちなので、熱湯をかけた煮沸消毒や塩素漂白剤などを水で薄めた物に浸け置きし、薬剤で殺菌消毒しましょう。
やっつける
つけない、増やさないことの他に、やっつけることも大切です。やっつけるとは加熱処理で殺菌したり、薬剤で殺菌したりすることです。
なるべく食中毒の危険性の高いものは生食を避け、加熱処理して火を通して食べるのが良いでしょう。生肉や内臓の完全殺菌はまだ現代技術をもってしても難しいと言われています。多くの微生物は熱に弱いので、中心まで火を通すことを心がけましょう。
ついてしまった微生物を、増やす前にやっつけてしまうことも食中毒予防では大切なことです。
3 家庭で出来る食中毒予防
家庭で出来る食中毒予防について、もう少し深くお伝えしようと思います。「2 食中毒の予防対策」でもお伝えした、三つの原則「つけない、増やさない、やっつける」は日常的に行ってほしいですが、そもそも食中毒とは全体的にどんな場所で発生するのかを調べてみました。
厚生労働省の食中毒統計という、毎年日本で起きている食中毒事故の詳細なデータが一般にも公開されているものがあります。そのデータの原因施設という項目を見ると、毎年数値は変動しますが、直近5年間を見ると約50~60%の原因施設が飲食店だとわかります。
ということは、食中毒を避けるには外食を控えるだけでかなり避けられることになります。食中毒で深刻な症状になってしまうのは、抵抗力や免疫力が低い子供やお年寄りです。こういった方たちがあなたの家族に居る場合は、なるべく外食を避けることで食中毒の危険を回避できるでしょう。
ただやはりご家庭でも食中毒が発生してるのは確かです。毎年約10%は家庭での食中毒事故なんです。なのでしっかりと「つけない、増やさない、やっつける」を実践しつつ、食中毒事故が多発する6~9月は外食も意識しながら生活しましょう。
4 まとめ
・食中毒は6~9月の夏場が最盛期だが、冬場もノロウイルスなど食中毒危険はある。
・食中毒予防対策では三つの原則「つけない、増やさない、やっつける」が効果的。
・国内で食中毒事故の原因施設は、飲食店が約5~6割で、家庭が約1割の割合で起きている。
いかがでしたか?食中毒予防の三原則をしっかり覚えて、家庭のキッチンなど衛生環境も見直してみても良いかもしれませんね。
飲食店での食中毒件数が多いのは事実ですが、飲食店従事者だった私や今現在も働いている旦那から言わせてもらえば、家庭以上に衛生面を徹底管理して調理しています。
もちろんすべての飲食店とは言いませんが、毎日殺菌消毒や、手洗いの徹底、体調管理、冷蔵庫の温度管理、まな板の使い分けまでしても、やはり条件が重なったりたった一つのミスで食中毒事故が起こってしまう時があります。
ですから家庭だから安心とか、飲食店が危険だとかではなく、しっかり自分たちで予防対策していきましょう。あなたの行動でお子さんの、家族の命が守れることを知ってほしいです。夏場冬場共に食中毒の危険性はあるので、毎日の意識が大切です。
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