有機野菜と無農薬野菜の違いとは?定義を知って離乳食に利用しよう

食の安全
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最近は有機野菜や無農薬野菜を都心のスーパーなどでもよく見かけるようになりました。自治体も地産地消していこうという動きもあり、品質良い野菜が以前に比べて手に入り安くなり、そういった安心安全な野菜を離乳食をはじめとした育児で使っている、使っていきたい方も多いと思います。

ただ有機野菜と無農薬野菜の違いをしっかり説明できる人はまだまだ少ないのではないでしょうか。またオーガニックという言葉もよく耳にしますが、人それぞれ曖昧な解釈でなんとなく健康そうといったイメージで、きちんと説明出来る方は少ないと思います。

今回は野菜ソムリエで元調理師として、まだまだ理解度の低い有機野菜と無農薬野菜の違い、オーガニックや離乳食利用についても、まとめてご説明したいと思います。

もくじ

1 有機野菜とは
2 無農薬野菜とは
3 オーガニックとは
4 有機野菜と無農薬野菜の離乳食利用
5 まとめ

1 有機野菜とは

まず有機野菜とは、簡単に言ってしまえば国の法律(基準)にそって作られた野菜の事で、有機JAS法という法律がちゃんとあります。この基準を満たしていないのに「有機野菜」「オーガニック野菜」などと表記したりすると、当然法律違反なので罰則もあります。

有機栽培の認証を受けた農産物には有機JASマークという、認定マークをつけることが出来るので、しっかり審査基準に合格して認定されている野菜や食品には、このマークがついているので、知っているとすぐに見分けることが出来ます。有機が保証されているマークになります。

逆にこのマークがないのに有機野菜とポップや口頭などで伝えられている場合は、疑った方がいいでしょう。口では何とでも言えますから、証拠が全てです。ちなみにこの有機JAS規格は、ほぼ国際規格と同じよう作られています。

有機JASには明確な基準、法律なのでかなり長く、ここにすべて書くことはできませんが、簡単に定義をかみ砕いて説明すると、「農薬や化学肥料を3年以上使ってない土壌で作られた野菜」と思って下さい。ただし認められた農薬は使われている可能性があります。

有機認定を受けているからと言ってすべてが無農薬というわけでなく、有機JAS法の中で認められている農薬は使って良いということです。もちろん有機認定を受けている野菜の中にも無農薬で作っている場合があるので、そこは直接生産者さんに聞かないとわからないのが現状です。

2 無農薬野菜とは

一方、無農薬野菜とは何かというと、言葉の意味の通り無農薬で栽培された野菜の事です。ただ有機野菜のように法律はなく、あくまでもガイドラインです。なのでもし違反しても罰則はありません。

有機野菜は認定された農薬を使用している場合があります。認定された農薬を使っていても使っていなくても有機野菜です。なので無農薬野菜も有機野菜の一種と言え、有機野菜であったとしても無農薬野菜である場合があります。

ややこしいですが法律やガイドラインを解釈するとこうなってしまいます。また有機野菜(認定を受けていない場合)ではないけど、一般的な栽培方法ではなく無農薬や減農薬で特別に作られている野菜は「特別栽培農産物」という呼び方をします。

ここまでややこしくなってしまった原因に、有機JAS法という法律で明確な基準を作ったのに、消費者の認識では「無農薬」の方が優良という認識の方が多く、このように特別栽培農産物という難しい名前になってしまいました。

また一般的消費者の理解の中では、無農薬野菜とは生産過程、土壌、周囲環境にも農薬が一切使用されてない環境で作られた野菜というイメージですが、実際生産者の解釈では「農薬を生産過程で使用せず作った農産物」という認識で、消費者と生産者で無農薬野菜の考え方に違いがあったことで、誤解を招いていたことも原因です。

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こういった経緯がある為、厳密には無農薬と表示してはいけません。無農薬の他に、減農薬、無化学肥料、減化学肥料などの表示も禁止とされています。特別栽培農産物のガイドラインには、農薬を使用していない物に関しては「農薬:栽培期間中不使用」と表記できるので、一定の目安にはなるでしょう。

3 オーガニックとは

ここまで有機野菜と無農薬野菜の違いについてお伝えしてきましたが、最近よく聞くオーガニックとはなんでしょうか。有機や無農薬と違い、どういったものか説明したいと思います。

オーガニックを直訳すると「有機」となり、日本ではオーガニック=有機と認識して良いと思います。ただ海外のオーガニックの認定機関や組織、それらの規定や基準も様々で、それを基準にするとオーガニックと呼べたり呼べなかったりと、難しい判断になります。

日本でいうオーガニックは、有機野菜のところでもお伝えした有機JASマークや特別栽培農産物の表示で判断しましょう。

4 有機野菜と無農薬野菜の離乳食利用


今後離乳食や育児に有機野菜や無農薬野菜など、身体にも環境にも配慮した野菜を使っていきたいママさんも多いと思います。離乳食にとって有機野菜と無農薬野菜のどちらが良いのかという問題。

これは私の意見になってしまいますが、正直どっちでもいいと思いますし、そこまで徹底的に有機や無農薬にこだわる必要はないのかなと思っています。自分のライフスタイルに合わせる事のが大切で、知識をつけて取捨選択していくことの方が重要だと思うからです。当然身体や環境に配慮した有機や無農薬にも、メリットもあればデメリットもあるからです。

デメリットで考えられるのは、やはりまずコスト面でかなり苦労します。ここまで説明してきた通り有機や無農薬で作る農作物は、基準を満たす為本当に手間暇苦労を掛けて生産者さんが作っています。当然生産数も通常と比べ少ないです。野菜の値段も他の野菜と比べて高いのが現状です。

味の面では、有機だから必ず美味しい、無農薬だから必ず美味しい、というように必ずと言うわけではなく、当然どちらが良いとも言えないです。旬や品種、食べる環境、調理の仕方など、美味しいとはそういった沢山の条件で成り立っています。

大きさや形、見た目は農薬を制限している為、必ず良い物とは限りませんし、時には虫などもついている場合もあります。

もちろん有機や無農薬であるに越したことはありませんが、スーパーや八百屋さんで売られている野菜でも安く美味しく、農薬も少ない野菜は多くあります。中には有機や無農薬に特化した野菜の宅配や、冷凍野菜に特化した通販会社さんも沢山あります。

そういったサービスを上手く利用して、自分たちの生活に活かしていく。有機野菜や無農薬野菜を購入する場合は、有機JASマークや特別栽培農産物の表示を確認する。そして有機や無農薬のメリットとデメリットも含めて、幅広い視野で考えて利用していきましょう。

まとめ

・有機野菜は有機JAS法に認められた野菜で、有機JASマークがついている。
・有機野菜だからと言って農薬を一切使っていないわけではない。
・無農薬野菜とは、農薬を一切使わないで作られた野菜。
・厳密には無農薬野菜と表示してはならず、特別栽培農産物という。
・オーガニックとは有機という意味。オーガニック=有機。
・海外にもオーガニックの認定機関や規格などがあり、有機JAS規格はほぼ国際規格に合わせている。
・離乳食利用する場合は、有機JASマークや特別栽培農産物の表示を確認し購入する。
・有機野菜や無農薬野菜はどうしても値が張り生産数も多くない。

ここまで有機野菜と無農薬野菜の違い、オーガニックや離乳食利用についてお伝えしてきましたが、所々難しくややこしい説明もあったと思います。これは食に対する不安が近年とても高まり、法律や生産者さんの方が追いついてないこともあるのかなと思っています。

野菜に限らず食材の安心安全にまつわる法律や制度は、まだまだ日本は遅れているのが現状です。

一方、食に関する不安は年々増加していると思います。この記事を読んだあなたが有機や無農薬の違いを知ったように、一人一人が知識をつけて、沢山の選択肢を取捨選択できたら、もっともっと人にも地球にも安心で安全な野菜、そんな食べ物が日本に溢れてくれるのかなと思っています。

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