初めての離乳食はママにとっても赤ちゃんにとっても初めてずくしですよね。赤ちゃんにとって身体に良いものをあげたいと思うのは、ママとして当然のことだと思います。
そんな離乳食ですが、身体に良いとされ栄養価も高いはちみつは1歳未満の乳児には与えてはいけないことをあなたは知っていますか?
なぜ離乳食ではちみつをあげてはダメなのでしょうか。知ってる人も知らない人も改めて伝えたい離乳食のはちみつについてまとめてみました。
もくじ
2 なぜ離乳食ではちみつを与えてはだめなのか
・乳児ボツリヌス症とは
・はちみつの中にボツリヌス菌?
・熱に強いボツリヌス菌
3 離乳食で乳児ボツリヌス症にならない為の予防対策
4 まとめ
1 はちみつとは
はちみつを赤ちゃんに与えてはいけない理由の前に、まずはちみつとはどんなものでしょうか。
蜂蜜(ハチミツ)とは、みつ蜂が花の蜜を収集し、巣に持ち帰って加工し貯めた物です。その味は甘く、独特な風味があり、世界中で愛されています。その歴史は古く紀元前6000年には洞窟の壁画にはちみつを採る人の姿が描かれていたと言われています。
はちみつの栄養価はとても高く、疲労回復や殺菌保湿効果もあります。またエネルギー変換効率もよく食べてから約20~30分後には身体へと吸収され、エネルギーに変わってくれます。脳へのエネルギー補給にも優れているので、身体にも頭にも良い食べ物とされています。
女性には嬉しいカロリーも控えめで、同じ量の砂糖の、1/3の量で同じ甘さと言われています。自然界で最も甘い天然の甘味料なんです。
2 なぜ離乳食ではちみつを与えてはだめなのか
では一体なぜそんな身体に良いとされるはちみつが、離乳食ではNGなのでしょうか?はちみつを与えてはいけない理由を探ってみます。
実ははちみつにはボツリヌス菌という細菌が入っている可能性があります。ボツリヌス菌を乳児が摂取すると、乳児ボツリヌス症という病気になってしまう恐れがあります。
乳児ボツリヌス症とは
乳児ボツリヌス症になると、赤ちゃんの便秘状態が続き、元気がなくなったり、母乳やミルクを飲む力が弱くなり、最悪の場合死亡するケースもあります。
残念ながら2017年国内初の、はちみつによる乳児ボツリヌス症で赤ちゃんが死亡する報告がありました。離乳食で日に2回ほどジュースに混ぜてはちみつを与えていた為、乳児ボツリヌス症になってしまったのが原因だったようです。
はちみつの中にボツリヌス菌?
ボツリヌス菌は自然界(土壌、川、湖など)に普通に居るもので、特別珍しい菌ではありませんが、乳児が摂取してしまうととても危険です。
本来大人が食べてしまっても腸内で他の腸内菌に負けてしまい、特に問題ないとされていますが、赤ちゃんのような乳児は抵抗力が弱く、胃腸も未発達な為、ボツリヌス菌がそのまま残ってしまいます。
残ったボツリヌス菌はボツリヌス毒素を出し赤ちゃんを苦しめてしまいます。この毒素は自然界で最も毒性の強い毒とされていて、赤ちゃんでなくとも怖いものです。この毒素が原因で大人も食中毒になってしまいます。
熱に強いボツリヌス菌
ボツリヌス菌の厄介な点は、熱に強い耐性を持つ点です。ボツリヌス菌は酸素が少なくなると「芽胞 がほう」と言われる殻のようなものを形成します。この芽胞は120℃で4分以上加熱しなければ殺菌できず、100℃では6時間加熱しなければ死滅しません。
このように芽胞の熱耐性が強いことから、家庭で加熱による予防は難しいとされています。一般的な常識では食中毒に対して、加熱すれば大丈夫という認識から油断してしまいがちです。
3 離乳食で乳児ボツリヌス症にならない為の予防対策
日本でも1989年に厚生労働省が注意喚起をはじめ、母子手帳や食品表示にもはちみつに対する注意喚起はされていましたが、それでも乳児の死亡者が出てしまいました。乳児ボツリヌス症に大切な我が子がならない為に、あなたはどうしたら良いでしょうか。
それは1歳になるまでは、はちみつを与えない事が一番手っ取り早く簡単な予防対策です。拍子抜けしてしまうかもしれませんが、それでもボツリヌス菌からのリスクは防げます。
離乳食で健康に良い物を与えたくなる気持ちは、同じ親である私もわかるのですが、わざわざリスクのあるはちみつを与える理由はないからです。といっても1歳を過ぎた頃にはそういったリスクも低くなってくるので、成長に合わせて徐々に与えて行っても良いと思います。
またボツリヌス菌は酸素が少ない環境を好みます。はちみつ以外の食品でも、自家製の瓶詰や缶詰はボツリヌス菌が知らぬ間に増殖している恐れがある為、長期間空気に遮断され常温保存された食品も意識的に離乳食では与えないようにしましょう。
離乳食のヨーグルトなどの甘味料として使いたい場合は、オリゴ糖などの他の甘味料を使うようにしましょう。きっとプーさんのアニメを見る頃には、ちゃんとはちみつを食べられる年頃になると思うので、それからでも遅くはないですよ。
4 まとめ
・離乳食ではちみつを与えると、乳児ボツリヌス症になる恐れがある。
・乳児ボツリヌス症になると、便秘、哺乳力の低下など、最悪の場合死亡する。
・2017年国内初の、離乳食ではちみつ摂取による死亡事故が報告された。
・ボツリヌス菌の毒素はとても強く、熱への耐性が強い。
・乳児ボツリヌス症への予防対策は、1歳になるまではちみつの摂取を控えること。
・離乳食ではちみつをあげる必要はない。リスクが高い。
いかがだったでしょうか。これから離乳食を始めるママには絶対に知っておいてほしい知識です。なんとなく世間一般のイメージとして、健康に良いメリットばかりのはちみつといった印象がありますが、こういった思わぬデメリットもあります。
大人と子供では体の強さ、耐性も違うことを認識して、その時その時の成長に合わせて離乳食や食事を変えていく必要があります。
ただはちみつが絶対悪ということではなく、一歳未満は身体に合っていないということなので、一歳を過ぎてしまえばそこまで過敏になる必要はないと思っています。実際うちの上の子は1歳を過ぎているので、はちみつ大好きっ子です。
我が子が元気に成長するのはすべての親の願いでもあると思いますので、親の知識不足や認識不足で、赤ちゃんを苦しませてしまうのだけは避けましょう。
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