最近なんだか野菜不足で、便秘気味なんてことありませんか?特に女性は便秘になりやすいと言われています。私も食事に油断するとなったりするので、お腹の張りやウエストも太くなって、体調だけでなく色々と辛いものですよね。
ですが便秘解消しようにも、どんな野菜をどのくらい食べれば良いかわからないなど、便秘解消の悩みは尽きません。
そんな「便秘の悩み」を、早急に解決できる方法があります。
今回は便秘を解消する為の、野菜の食物繊維について、効果的な野菜の食べ方などについてお伝えしていきます。
もくじ
2 便秘には食物繊維
3 野菜の食物繊維ランキング
4 食物繊維ランキングから考える食事の摂り方
5 まとめ
1 便秘とは
まず始めに私たち女性を苦しめる「便秘」とはどういったものなのか、簡単に解説したいと思います。
便秘とは、便がお腹(大腸)に溜まり停滞し、排泄されないことを指します。
日本でも日本内科学会や日本消化器病学会が定義などを出していますが、明確な定義というのはなく、残便感があることや便が硬い場合でも、便秘とされることもあります。
2 便秘には食物繊維
便秘改善には食物繊維が良いということは、一般常識になりつつあります。だから野菜を食べようとなるわけですが、食物繊維には実は二種類あるのをご存知ですか?
食物繊維は咀嚼(そしゃく)の回数を増やし、唾液や胃液の分泌を促して、排便を促す効果があり、大きく分けて水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類あります。
書いて字のごとく水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維で、不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維です。
主に水溶性食物繊維は海藻、果物、野菜などに含まれていて、不溶性食物繊維は野菜、豆類、穀類、キノコ類などに含まれています。
この二種類の食物繊維が、「水溶性 1:不溶性 2」のバランスで摂取するのが理想とされています。なので便秘予防や改善の為には、こうしたバランスで食物繊維を摂取しなければいけないということです。
一日に必要な食物繊維の量
では一日に必要な食物繊維の量とは一体どれくらいでしょうか。
日本人が一日に必要な様々な栄養素の必要量が記載されている、「日本人の食事摂取基準 2015年版」という資料をご存知でしょうか。
これは厚生労働省が5年おきに発表し、栄養素の理想的な摂取目安が書かれている物なのですが、そこの食物繊維の基準は成人は、男性20g以上、女性18g以上となっています。
ちなみにお子さんがいらっしゃるママさんの為に、6~7歳の子供は、男の子が11g以上、女の子は10g以上となっています。
3 野菜の食物繊維ランキング
ここまで簡単に便秘と食物繊維についてお伝えしてきましたが、その基礎知識を踏まえて、野菜の食物繊維ランキングを発表します。
ランキングを作るにあたって文部科学省が発表している「日本食品標準成分表2015年版」を参考に、ご家庭の定番野菜であること、一般的な食べ方(生、茹でる、炒める)を考慮して、私が独自に選出してランキングを作っています。
普段使わないような食材や、加工された食品(こんにゃくやドライフルーツ)は除外しています。純粋に普段ご家庭で使っている野菜だけを選んでみました。
それでは【野菜の食物繊維ランキング】の発表です。
10位 ニラ・茹で 4.3g
まずはニラがランクインです。ニラは中国料理には欠かせない食材の一つですよね。独特の強い香りがあり、食欲をそそります。値段も100円前後で売られているので、家庭でも馴染みある野菜の一つですね。
お肉との相性も良いですし、そのまま茹でておひたしにして食べても甘味があり美味しいです。そんなニラですが意外にも食物繊維が豊富なんです。
9位 枝豆・茹で 4.6g / えのき茸・炒め 4.6g
枝豆
ビールのおつまみと言えば枝豆です。枝豆は大豆の未熟な実です。熟すと大豆になる事を知らない方も多いと思います。豆類は比較的食物繊維が豊富で枝豆以外にも、大豆(きな粉)や小豆、エンドウ豆やいんげん豆も多く含んでいます。
ただ今回は普段から手に入りやすい野菜を選出している為、季節物のエンドウ豆やいんげん豆は除外しましたが、実際は枝豆より多くの食物繊維を含んでいます。
その他にも豆を加工した食品(納豆、あんこ、きな粉など)も多くの食物繊維を含んでいる為、覚えておくと良いと思います。
えのき茸
クセがないキノコなので、何に入れても合うのがえのきの魅力ではないでしょうか。シャキシャキした歯ごたえが良いですよね。
値段も特売として100円以下で売られていたりするので助かります。家庭の定番キノコと言ったところでしょうか。
8位 舞茸・炒め 4.7g
私はキノコの中でも舞茸が一番好きなんですが、食物繊維も多いのは嬉しいことです。「森で見つけたら舞い上がるほど嬉しい。踊ってしまう」というところから名前が来ています。
やはりえのき同様に舞茸も食物繊維が多いので、便秘気味の方は踊って喜んでしまいますね。
7位 ぶなしめじ・茹で 4.8g
こちらもポピュラーなキノコです。えのき同様にクセがあまりないので、使い勝手の良い食材です。
味よし値段良しの主婦の味方食材です。冬のお鍋の具としても欠かせませんよね。
6位 オクラ・茹で 5.2g
夏のネバネバ野菜と言ったらオクラです。茹でて刻んでお醤油を加えて混ぜるだけで、ご飯にもお酒にも合う、私の大好きな野菜の一つです。
5.5位 アボカド・生 5.3g
なぜ5.5位にしたかと言うとアボカドは野菜という認識の方が多いですが、定義上は日本では果物とされていて、野菜的果実とも言われている為です。
アボカド自体は「森のバター」と称されるくらい栄養価も高く、成長期の子どもや疲れた時の栄養補給にはもってこいの野菜(果物)です。
5位 エリンギ・焼き 5.4g
またまたキノコです。エリンギは弾力の強い肉質で、比較的市場に出てきたキノコの中では新しいキノコです。
えのきとはまた違う食感なので、炒め物やパスタに入れても面白いです。日本料理にはあまり使われませんが、洋食にはよく使われていて、ピザやパスタでは大活躍です。
4位 ごぼう・茹で 6.1g
食物繊維が多い野菜と言えば、ごぼうという人も多いはずです。きんぴらや練り物の具としてもよく使われます。
日本以外ではあまり食べられていない野菜ですが、私の実家では祖母が頻繁にきんぴらを作ってくれたので、よく食べていました。
3位 原木栽培しいたけ・炒め 6.4g (茹で 4.8g)
ココまでくるとキノコに食物繊維が豊富なのはもうおわかりですね。椎茸がベスト3にランクインです。
椎茸の栽培方法は主に菌床栽培と原木栽培があります。菌床栽培はおがくずなどに植え付けた菌に人工的に栄養を与えることで、通年収穫できる栽培方法。
原木栽培は原木に直接菌を入れじっくり育てていく栽培方法で、収穫するのに2年ほどかかり栄養価や味香りも良い椎茸です。
今回はこの原木栽培の椎茸の方が食物繊維が豊富なため選出しましたが、菌床栽培の椎茸も食物繊維は豊富なので覚えておいてください。
2位 ニンニク・炒め 6.8g (生だと 6.2g) / パセリ・生 6.8g
ニンニク
イタリア料理やスペイン料理には欠かせないのがニンニクです。ニンニクは知っての通り疲労回復にもよく、日本でも古くからスタミナ食材として使われています。
大量に食べることはないですが、少量でも大きな役割を担ってくれる、香りや味といった、香味野菜として使われることが一般的です。
ちなみに我が家では、私が香味野菜(ニンニク、ショウガ)が好きなので、常に常備しています。口が臭くなるのが難点ですが。
パセリ
野菜界の名脇役ではないでしょうか。パセリです。オードブルの飾りや、料理の頂点に散らすだけでも、華やかになります。
そんなパセリも食物繊維が多い食材です。最近では小さなプランターなどでベランダや窓際で、イタリアンパセリを育てたりしてるご家庭もよく見ます。
1位 しそ(大葉)・生 7.3g
食物繊維ランキング第1位はしそ(大葉)です!
薬味や和食の飾りとしてもよく使われる野菜です。なかなか子供には理解できない独特の香りや味ですが、大人になるにつれて美味しさが理解できてくるようになる、そんな野菜の一つかもしれませんね。
ランキング順位 | 野菜の種類、調理別 | 食物繊維総量 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
---|---|---|---|---|
1位 | しそ(大葉)・生 | 7.3g | 0.8g | 6.5g |
10位 | ニラ・茹で | 4.3g | 0.8g | 3.5g |
9位 | 枝豆・茹で えのき茸・炒め | 4.6g 4.6g | 0.5g 0.4g | 4.1g 4.2g |
8位 | 舞茸・炒め | 4.7g | 0.2g | 4.5g |
7位 | ぶなしめじ・茹で | 4.8g | 0.2g | 4.6g |
6位 | オクラ・茹で | 5.2g | 1.6g | 3.6g |
5.5位 | アボカド・生 | 5.3g | 1.7g | 3.6g |
5位 | エリンギ・焼き | 5.4g | 0.2g | 5.2g |
4位 | ごぼう・茹で | 6.1g | 2.7g | 3.4g |
3位 | 原木栽培しいたけ・炒め | 6.4g | 0.4g | 6g |
2位 | ニンニク・炒め パセリ・生 | 6.8g 6.8g | 4.5g 0.6g | 2.3g 6.2g |
番外編
やはり食物繊維と言っても上記に記載したのは総量であって、水溶性不溶性の食物繊維の合計量です。
ただ食物繊維の章でお伝えした通り、水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良く「水溶性 1:不溶性 2」の割合で摂取するのが理想的です。
番外編として水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のランキングも作ってみたので、食事に取り入れる際の参考になればと思います。
水溶性食物繊維ランキング
4位 ニラ・炒め 1.3g
3位 オクラ・茹で 1.6g
2位 ごぼう・茹で 2.7g
1位 ニンニク・炒め 4.5g
当たり前なんですが。食物繊維ランキングに入ってきている野菜がほとんどです。もちろんこちらの順位も、あまり家庭で使わない物や、加工品は除外させていただきました。
水溶性だけで見ると5位の、春菊、さつまいも、なめこが入ってきました。にんにくは水溶性食物繊維が多い野菜です。
基本的にほとんどの野菜の食物繊維が不溶性食物繊維なので、その中では断トツに多いですね。
不溶性食物繊維ランキング
4位 えのき・茹で 4.2g
3位 ぶなしめじ・茹で 4.6g
2位 エリンギ・焼き 5.2g
1位 原木栽培しいたけ・炒め 6.0g
不溶性食物繊維のランキングではキノコ類がほとんどなのが分かります。キノコの食物繊維はほとんど不溶性なので、こういった結果になりました。
4 食物繊維ランキングから考える食事の摂り方
独自の選出になりますが、食物繊維ランキングでお伝えした野菜どうでしたか?自分の考えていた野菜と違いましたか?
ただ大切なことはこのランキングをどのように食事に活かして行くかだと思います。知ってるだけでは意味がありません。
実は野菜の食物繊維と言ってもたかが知れています。食物繊維の章でもお伝えした通り、一日約20gの食物繊維を目安とするなら、野菜だけだと難しいからです。
なんとなく気付いている方も居ると思いますが、ランキング2位のニンニクを例とすると、100g食べて食物繊維6.8gなわけなので、目安量をニンニクだけで摂ろうとしたら、この3倍の約300gを一日で食べなくてはなりません。
その他、いりごまなども多くの食物繊維を含んでいますが、100g中12.6gなので…。この量です。
写真の画像で100gなので、正直現実的でない量なのはお分かりいただけますね?
ランキングのベスト3、しそ、ニンニク、パセリ、は100gまず食べるのが難しそうです。
ということで、今回食物繊維ランキングを作って感じたこと、気付いたことをまとめてみました。
乾燥食材の食物繊維
野菜で食物繊維を摂ろうとしてもなかなか難しいのはわかって頂けたと思いますが、食品成分表を見ていて分かったことがります。
それは乾燥食材がスゴイということです。いわゆる乾物という食材です。
乾燥食材というと、干してある食材です。ドライフルーツもそうですが、干し椎茸、かんぴょう、乾燥きくらげ、切り干し大根、ナッツ類などです。
食材名 | 食物繊維総量 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
---|---|---|---|
干し柿 | 14.0g | 1.3g | 12.7g |
干し椎茸 | 41.0g | 3.0g | 38.0g |
かんぴょう | 30.1g | 6.8g | 23.3g |
切り干し大根 | 21.3g | 5.2g | 16.1g |
いりゴマ | 12.6g | 2.5g | 10.1g |
アーモンド | 10.1g | 0.8g | 9.3g |
水分が抜け、旨味が凝縮された乾燥食材ですが、食物繊維も豊富です。ただでさえ食物繊維豊富な椎茸ですが、乾燥させると更に食物繊維の量は増えます。
特に注目の食材が「干し柿」です。
NHKの番組、ためしてガッテンでも紹介されたこともある干し柿。100gに食物繊維が14gも含まれていて注目されています。年配の方が食べるイメージですが、おやつには丁度良い量なので、スナック菓子を食べるくらいなら干し柿ですね。
もちろん干し柿だけでなく、その他のドライフルーツ(バナナチップスやレーズンなど)も豊富に食物繊維があるので、食事に上手く取り入れていきたい食材です。
海藻の食物繊維
海藻種類 | 食物繊維総量 |
---|---|
ひじき | 51.8g |
カットわかめ | 35.6g |
利尻昆布 | 31.4g |
次に海藻類です。海藻類も野菜に比べて、比べ物にならないほど食物繊維豊富です。
ひじきは100g中51.8g、利尻昆布31.4g、カットわかめ35.6gと、かなり多くの食物繊維を含んでいることが分かります。
海藻を100g食べるだけで、一日分の食物繊維をカバーできるので、便秘の予防改善に海藻類使わない手はないでしょう。
食物繊維のバランスが良い野菜
最後に食品成分表見ていて、この野菜は食物繊維のバランスが良いなと思った野菜をご紹介します。
それは、オクラ、ごぼう、アボカドです。
野菜の種類、調理別 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 食物繊維総量 |
---|---|---|---|
オクラ・茹で | 1.6g | 3.6g | 5.2g |
ごぼう・茹で | 2.7g | 3.4g | 6.1g |
アボカド・生 | 1.7g | 3.6 | 5.3g |
というように、比較的食物繊維総量も多い野菜ですが、水溶性と不溶性も適度に含んでいてバランスのとれた野菜だと思います。
結論
ここまで長々と書いてきましたが、このランキングの結果を踏まえて私が言いたいのは、
野菜だけでは食物繊維の摂取量をカバーしきれないので、バランスよく色々な食材を食べることが大事です。
ということです。野菜は一日350gを摂取目安としています。食事では食材30品目を摂ることが理想的とされています。
だからこそバランスよく食事をする大切さが大事で、食物繊維ランキングからもその重要性が分かって頂けたかなと思います。
便秘改善には何かを集中的に食べるより、海藻類(昆布、わかめ、のり)、乾燥食品(干し椎茸、切り干し大根、ドライフルーツ)、ナッツ類、キノコ類、野菜などを中心にバランスよく食べていくことが何よりも大切です。
5 まとめ
・食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がある。
・食物繊維は「水溶性 1:不溶性 2」のバランスで摂取するのが理想。
・食物繊維の摂取目安量は成人男性20g以上、女性19g以上、子供(6~7歳)男の子11g以上、女の子10g以上とされている。
・食物繊維は海藻類、乾燥食品、ナッツ類、キノコ類、野菜などに多く含まれている。
ランキング順位 | 野菜の種類、調理別 | 食物繊維総量 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
---|---|---|---|---|
1位 | しそ(大葉)・生 | 7.3g | 0.8g | 6.5g |
10位 | ニラ・茹で | 4.3g | 0.8g | 3.5g |
9位 | 枝豆・茹で えのき茸・炒め | 4.6g 4.6g | 0.5g 0.4g | 4.1g 4.2g |
8位 | 舞茸・炒め | 4.7g | 0.2g | 4.5g |
7位 | ぶなしめじ・茹で | 4.8g | 0.2g | 4.6g |
6位 | オクラ・茹で | 5.2g | 1.6g | 3.6g |
5.5位 | アボカド・生 | 5.3g | 1.7g | 3.6g |
5位 | エリンギ・焼き | 5.4g | 0.2g | 5.2g |
4位 | ごぼう・茹で | 6.1g | 2.7g | 3.4g |
3位 | 原木栽培しいたけ・炒め | 6.4g | 0.4g | 6g |
2位 | ニンニク・炒め パセリ・生 | 6.8g 6.8g | 4.5g 0.6g | 2.3g 6.2g |
いかがでしたか?私もこの記事を書くまでは、ここまで食材の食物繊維について調べたことがなかったので、野菜だけで食物繊維を摂るには限界があるなと、改めて感じました。
この記事を見て「あれっ、レタスは?」と思った人も居るとは思います。あれはマーケティング上の例えとして使っているだけで、そもそもレタスの食物繊維が多いわけではありません。レタス何個分という表現がサラダをイメージしやすいのでよく使われたりします。
今回参考資料に使用した日本食品標準成分表は、食品や食材100gに含まれる栄養が細かく記載され、調理法別の栄養まで算出されています。
無料で閲覧できる物なので、栄養に興味があるママさんは一度目を通すととても勉強になりますよ。是非一度検索してみてください。
野菜の食物繊維ランキングを参考に、食物繊維を上手に食事に取り入れて、便秘の予防改善に役立てましょう。
コメント
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