野菜のアク(灰汁)って体に悪いの?正体は何?

野菜の知識
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カレーやお鍋をした時に出る白っぽい泡のようなもの。それは灰汁(あく)と呼ばれています。

野菜やお肉を煮ている時は、特に何も考えなしに「アクは取らなきゃ」と思ってませんか?

そもそもアクとは何なのか?正体は?アクは取らないと身体に悪いの?など、灰汁についての疑問を野菜ソムリエの僕が解説していきます。

野菜の灰汁(アク)って何?正体とは?


そもそもあなたはアクって一体何だと思いますか?

料理の時よく耳にするアク。漢字では「灰汁」と書きます。

もともとは木や藁の灰を水に浸して、上澄みをすくい取った液のことを指します。この液はアルカリ性で、昔の人はこの性質を利用して、洗濯や漂白をしていました。

更に、この液を使って野菜や山菜の持つ雑味(えぐ味や苦味など)を処理したことから、素材が持つ雑味を総じてアク(灰汁)と呼ぶようになったとされています。

ダイチ
ダイチ

一言で灰汁と言っても結構アバウトな表現です。野菜やお肉から出てくる成分は素材によって違います。ただ味を邪魔する成分や健康的に良くない成分を灰汁(アク)と呼んでいます。

今では一般的に、野菜やお肉を茹でたり煮込んだりしている時に出てくる、白い泡のような物を私たちはアクと呼んでいます。

つまりあの白い奴は、雑味(えぐ味や苦味など)の素だと理解して下さい。味に影響するので、出来るだけ取りましょうと言われています。

野菜の灰汁

野菜や山菜って言っても山ほど種類があり、アクの種類も同じように沢山あります。実際成分を一つ一つ紹介するわけにもいかないので割愛しますが、

野菜の中には、このアクを取り除かないと食べられないような野菜も存在します。有名なのはほうれん草・竹の子のアクでしょう。

食材に含まれているアクを取り除くことを「灰汁抜き」とも言いますが、今回は例として、ほうれん草とたけのこのアク抜きを紹介します。

ほうれん草のアク抜き


例えば、ほうれん草のアクは「シュウ酸」「硝酸態窒素」と呼ばれている成分で、できれば体に入れたくない成分です。

摂りすぎると、シュウ酸は結石の原因に、硝酸態窒素はヘモグロビンとくっついて酸素欠乏症(酸欠)になってしまいます。

ただこの2つの成分は、水溶性のため下茹ですることで取り除くことが出来るので、茹でる事で取り除けます。

だから「下茹で」はあなたが思ってるより大切な工程なんです。ただ茹でるだけでも意味があるんです。

ダイチ
ダイチ

今まで何となく茹でてませんでしたか?
ほうれん草は茹でるものって感じでやってた人も多いハズ。
食べてすぐどうってわけではないですが。妊娠中とか、子供が居る人は気をつけてほしいです。

たけのこのアク抜き


同じように、たけのこ(筍)もシュウ酸が多い野菜です。灰汁抜きが必要な野菜です。

昔の人の知恵は凄いなといつも感心してしまいますが、「筍を掘ったら湯を沸かせ」なんて昔から言われている様に、お湯に「米ぬかや米の研ぎ汁」を入れ一緒に炊いて、アク抜きします。

これは米ぬかなど成分にアクが吸着させて取り除く、たけのこの下処理です。最近は水煮状態の筍も販売されているので、そういった手間は省かれていますね。

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ダイチ
ダイチ

たけのこのアクは、アク抜きをしないと食べられないほどえぐ味です。アク抜きはほうれん草より必須!煮ても焼いても渋すぎますッ!

アクは取らないと体に悪いのか?


こんな風にアクと言っても千差万別で、一括りにできない話です。気になるのはアクは取らないと体に悪いのか?

体に悪いなら、アク取りもアク抜きもやらなきゃいけないって話ですよね。ほうれん草の様にあんまり体に良くない成分もありますし、食べたくないですよね。

アク取りとアク抜きの違い


ただ「アク取りとアク抜き」は別物と考えましょう。少し意味合いが違います。

人によって言い方が違うので、アク抜きの事を「〇〇のアクを取る」と言う人も居るで、気をつけましょう。

カレーや肉じゃがなどに浮いてくるアクは、美味しいさを追求する為、取ったほうが良いです。これはアク取りです。

逆に筍やわらびなど、そのままでは食べることができない物を下処理する。これはアク抜きです。

つまりは

アク取りは、雑味をなるべく取り味を調える為の調理工程
アク抜きは、そのまま食べることができない野菜に行う、下ごしらえ的な調理工程

「アク抜き」は必ずしよう

なので、アク抜きはした方が間違いなく良いです。体に悪い以前にしないと食べられません。とにかく渋くてえぐ味がすごいからです。竹の子とか特に!

また味や栄養というより、色が変わってしまうのでアクを抜く場合もあります。

ナスやゴボウなど、切ってそのままにしておくと黒く変色してしまって、見た目的に食べたくなくなります。

切った後、流水や水にさらすことでアクが出て、きれいな色のまま食べることができます。

「アク取り」はセンス

アク取りに関しては、正直答えが難しいです。

確かに、浮いていくるアクは雑味なので取った方が良いんですが、そこにも素材の風味や旨味が含まれています。

でも片っ端から取ってしまうと、逆に美味しさを取ってしまう事になってしまいます。

カレーや肉じゃがなど材料的には、凄いアクがあるものはありません。浮いてくるアクは、そこまで体に害があるものではないんです。

なので、ほどほどに取る程度で大丈夫です。もし今まで神経質に取りすぎてしまっている場合はやりすぎかもしれませんね。

実際、プロでもどれくらいアクを取るかは料理人で違います。それはどんな料理を作るかにもよります。経験も必要になってきます。この辺は料理人の腕と言ってもいいです。

ただ家庭でお鍋やカレーなどの場合は、気づいたらすくって取るくらいで問題ありません。

アク抜きが必要な野菜


一般的な野菜でアク抜きが必要な物を書いておきます。知らないで食べてしまってる野菜もあるかもしれませんので。要チェックです。

ほうれん草、たけのこ、ゴボウ、レンコン、カリフラワー、わらび、ウド、ゼンマイ、フキ

この辺が食卓に上る事もある野菜になります。たけのこやわらびなど、限られた季節にしか食べられないような天然の食材は、アクが強い傾向にあります。

まとめ

・アク(灰汁)と、は野菜や山菜などがもつ雑味(えぐ味、渋み、苦味など)の事。
・そのままでは食べられないくらい強いアクを持つ野菜もある。筍やわらびなど。
・アクは野菜によって体に悪い場合もあるので、素材への理解も必要。
・「アクを取る」とは、素材のアクを取り除くことをアク抜きと言い、鍋などに浮いてるものを取る、アク取りとは意味合いが違う。
・アク取りは味を良くするためにした方が良いが、取りすぎると旨味もなくなるので注意する。
・素材によってアク抜きは必須なので、素材ごとのアク抜き方法を行う。

いかがだったでしょうか。これでアク(灰汁)についての理解が深まったと思います

普段何気なくやっていた下ごしらえにも理由があって、驚いたかもしれませんね。

たけのこを米ぬかと炊くとアク抜き出来るなんて、ホント昔の人はよく発見したなと毎度感心します。

煮込んでいる時の「アク取り」と、素材の「アク抜き」は、言葉が似ていて混同されがちですが、全然意味が違うので気をつけて下さいね。

今回は野菜のアクの正体についてお伝えしましたが、もっと野菜について学びたいならココをチェック↓

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