この記事に来たということは、あなたは食に対する意識が高い方だと思います。
今では原材料表示で「遺伝子組み換えでない」という表示を目にすることも多いでしょう。これは消費者がわかるよう国が表示義務を出しているからです。
「遺伝子組み換え=危険」だとか、危ない怖いと言った声はよく聞きますが、実際にあなたは、遺伝子組み換えについてどこまで知っていますか?遺伝子組み換えの作物がどのように危険なのか、しっかり説明できるでしょうか。
今回は遺伝子組み換えについて、何が怖くて危険なのか?メリットやデメリット、そして安全性について私の意見と対処法も交えてお伝えしていきます。
[mokuji]遺伝子組み換え技術とは?
遺伝子組み換え技術とは一体どんなものでしょうか。本来、遺伝子とは自然界で長い年月をかけ変化進化していきます。
進化とは交配の歴史とも言え、人が農業をするようになってからは、交配により、病気に強い作物、より安定的に育つ作物、より美味しい作物へと進化させてきました。
一方、現在問題となっている「遺伝子組み換え」とは、遺伝子を人為的に組み替えてしまう技術です。
自然界で起こらないことを強制的に起こすのが遺伝子組み換えです。
人工的に生物を作り変える技術
例えば、害虫に困っている作物があれば、その作物に毒のある生物(サソリとか)の遺伝子を組み込み、その作物を食べた害虫を殺す。なんてことも技術的には可能だそうです。
もっと極端に言うと、豚にトマトの遺伝子を組み込んだり、魚の遺伝子をキャベツになんてことも出来てしまいます。
そうやって自然界では絶対起こりえないことを、人の手で強制的に遺伝子を組み替えてしまえる技術が遺伝子組換え技術です。
現代では、生産性や過酷な環境下(砂漠など)でも安定的な農作物の供給を目的として、遺伝子組換えの研究は日々行われています。
日本では平成30年現在、じゃがいも、大豆、てんさい、トウモロコシ、なたね、わた、アルファルファ、パパイヤの8作物が安全性の確認を経て、販売され流通しています。
では遺伝子組み換えがなぜ問題となっているのでしょうか。一見、農作物が過酷な地域や貧しい地域で沢山作れれば、みんなが幸せなんじゃないかとも思えますね。
では次に遺伝子組み換えのメリットとデメリットについて考えていきましょう。
遺伝子組み換えのメリット
遺伝子組み換えのメリットとはなんでしょうか。今考えられているメリットをお伝えしていきます。
収穫量の増加
これは遺伝子組み換えで、収穫量の増加は最大のメリットと言ってもいいでしょう。
遺伝子組み換えによって、除草剤などの農薬に耐性が強い農作物にしたり、病気や害虫に強い農作物にすることで、収穫できる量が飛躍的に増えます。
私も田舎育ちで家庭菜園を始めとした、農業経験があるのでわかるのですが、病気や害虫、雑草には本当に頭を悩まされる問題なんです。実際これが生活に関わってくる専業農家さんなら尚更です。
収穫量が増えれば売る量も増える、当然儲けも増えるので、農業にとって収穫量は収益に大きく関わっていることです。
遺伝子組み換えで得られる大きなメリットと言えるでしょう。
栄養の増加
収穫量の増加だけでなく、遺伝子組み換え技術では栄養も増やすことが出来ます。
例えば、アフリカの様な未だに飢餓問題に悩んでいる後進国では、必要とされる栄養をプラスした農作物も作ることが出来ます。
アフリカの様な、水も少なく熱い過酷な土地でも、暑さや乾燥に強い作物にしたりすることもできるので、まさに万能な作物を作ることも出来るかもしれません。
味の向上
当然、収穫量や栄養価を遺伝子組み換えで変えていくことが出来るので、味も良くしていくことが出来ます。
美味しい物は人気が出るわけですし、ピーマンなのどの苦みなどを弱めたり、消してしまったりもできるでしょう。
実際、日本でも品種改良を経て、昔より苦みやえぐみと言ったものが改善され、一昔前より食べやすくなってきた野菜は沢山あります。
保存性の向上
農作物は保存性も求められます。収穫してすぐ腐ってしまっては商品にならないわけです。
そうならない為、通常は輸送や保存設備に費用をかけていきます。なるべく腐らないような作物の方が良いわけです。
遺伝子組み換え技術が進んでいるアメリカでは、国土が広いので輸送流通に時間がかかってしまいます。実際トマトは1994年からフレーバーセーバートマトという名で遺伝子組み換えトマトが流通しました。
燃料問題の解決
石油燃料の枯渇などが問題となっていますが、バイオ燃料の技術にも注目が集まっています。バイオ燃料はサトウキビ、トウモロコシなど植物を主原料とした新しいエネルギー源です。
当然この技術も大量の作物を利用する為、収穫量も多くなくては作れません。遺伝子組み換え技術でこうした作物の大量生産化をし、エネルギー問題の解決にも期待が持たれています。
遺伝子組み換えのデメリット
ここまで遺伝子組み換えのメリットをお伝えしてきました。遺伝子を組み替えれば、病気にも強く、害虫にも強く、栄養、大きさ、味も良く出来るなど、メリットばかりにも思えますよね。
遺伝子組換え技術のデメリット(問題点)とはどういったものがあるでしょうか。
人への害
まず考えられるのが遺伝子組み換え技術で誕生した作物を食べて、人に健康被害は出るのかどうかということです。
遺伝子組み換え技術が行われて四半世紀が経とうとしていますが、未だにデータ不足で生産流通には賛成できないと言っている専門家も沢山います。遺伝子組み換えを食べた人に、今後どのように健康状態に現れるか分かっていない点が不安を大きくしています。
遺伝子組み換え技術が進んでいるアメリカでは、遺伝子組み換えが始まったあたりからガン、白血病、アレルギー、自閉症などの件数もそれに伴って増えてきています。
因果関係は明らかになっていませんが、その可能性がゼロではないというのも事実です。
やはり視力矯正のレーシック手術と同じで、今後どうなるかわからない物(技術)に対しては、一定の不安は拭えません。
環境汚染
人への害と同じくらい問題なのが、環境汚染です。農薬や除草剤などに耐性を持つ農作物を作ったとして、そこに通常より強く多くの薬剤を散布する可能性があります。
そうなると周囲の土地に飛散する可能性もありますし、散布された土壌そのものがダメージを受ける可能性もあります。
組み替え方次第では今よりも更に多くの農薬が使用される可能性もあるので、環境汚染になり兼ねない問題です。
遺伝子汚染
遺伝子汚染もデメリットとして考えられます。遺伝子組み換えで作られた作物が周囲の植物と交配してしまうことで、また新たな新種が意図しない形で誕生してしまうことで、遺伝子や生態系への汚染も心配されています。
今の研究では考えにくいとされていますが、こちらも研究者の間で意見が分かれ、遺伝子について解明されていない部分も多くあることから危険視されています。
一度広がってしまった遺伝子汚染は食い止めることが困難とされており、取り返しのつかない事態にもなり兼ねません。
近隣への影響
遺伝子組み換え作物を作るうえでは、近隣への影響も考慮しなくてはいけません。例えば遺伝子位組み換え農業の隣で、有機農法や従来の方法で農業をしている場合、散布した農薬が隣の土地へと飛散してしまう可能性。
花粉が、風やハチなどの昆虫によって隣の農地へと自然な形で運ばれ、勝手に交配してしまう可能性もあります。
こうした近隣への影響も問題となっています。
企業の独占
遺伝子組み換えで除草剤に耐性のできた作物の種と、除草剤をセットで売ったりすることで、企業の独占なども可能です。今後技術進歩すれば二代目の種からは芽が出ないようにする技術も作れるでしょう。そうなると独占より支配に近いかもしれません。
そういった事が原因で伝統的な野菜果物などの農作物が失われていくことも考えられます。資本主義である以上日本も例外でなく、遺伝子組み換えが進んで行った先には、こうした問題も出てくるでしょう。
実際、食料自給率が極めて低い日本にとって、海外の輸入品に頼っている現状、他人事ではなく真剣に考える必要があります。
日本の遺伝子組み換えに対する取り組み
遺伝子組み換えのメリット・デメリットでお伝えしてきた通り良い面もあれば悪い面も当然あり、日本でも頻繁に問題となっていますが、現在日本では遺伝子組み換えに対してどのような安全性への取り組みをしているのでしょうか。
日本では遺伝子組み換え食品はすべて安全性の審査を受ける法律が定められていて、専門家で構成される食品安全委員会などを経て認可されます。その間にアレルギー評価や栄養面など様々な角度から審査されます。
そうした基準は、食品の国際的基準を作っているコーデックス委員会という国際機関があり、そこで作られた国際基準に日本ものっとっています。
検査対象
輸入品に関しても安全が確認されていない遺伝子組み換え品がないかチェックしています。検査対象は、米、パパイヤ、なたね、亜麻(あま)などを中心に行われています。
表示義務
表示義務については、遺伝子組み換え品を使用している場合もしくは不明な場合は表示義務があります。
使用していない場合は任意表示になるため、意識して食品を見ているとラベルに「遺伝子組み換えでない」と書いてあります。
ただし、製造過程で組み込まれたものや技術的に検出できない物への表示義務はなく。加工品に関しても、原材料の重量上位3位までかつ上位5%の物でなければ表示義務はないので、細かく遺伝子組み換え品を消費者側が除外できないのが現状となっています。
まとめ
[matome] ・遺伝子組み換え技術とは、遺伝子を強制的に人為的に組み替える技術。・遺伝子組み換えは品種改良や交配とは違い、種を越えて様々な生物から有用な遺伝子を組み込むことが出来る。
・遺伝子組み換え技術の最大のメリットは、収穫量を増加できる点。
・遺伝子技術のデメリットは、人体や環境への影響が未知数な点。
・日本では8品目の遺伝子組み換え農作物が販売流通している。
・日本の遺伝子組み換えに対する法律制度も完璧ではない為、今後も問題となっていく。
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遺伝子組み換えについて私が思うのは、未知数の部分が多く不安はどうしてもあるので、小さな子供がいる我が家では現状避けています。
表示義務のおかげで、比較的簡単に遺伝子組み換え食品かどうか分かるようになっているので、目の前に二つあったら、やっぱりそうでない物を手に取ってしまいます。
今のところ、好き好んで遺伝子組み換え食品を買うほどメリットが見当たらないからです。産直の野菜や果物で生産者さんの顔も分かる方が、安心で安全という判断です。
いくら安全と言われても、安心して食べられなければ気持ちが悪いですから。そういうこともあり、我が家では頻繁に野菜の通販を活用しています。
野菜の通販は宅配野菜とも呼ばれていて、家に居ながら好きな時に安全性の高い生鮮食品を宅配してくれる便利なサービスです。
宅配野菜は安心で安全が魅力
初めは子供に安心安全な物を食べさせたい気持ちから利用しました。
最初は品質や安全性など色々迷っていたんですが、まずは「おためしセット」を一度購入して、そこで味や安全性の信頼がわかったので今は普通に利用しています。
詳しい内容はこちらの記事にまとめてあります。
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宅配サービスに入会してからは、時間がない時などにも使える食材キット(ミールキット)や、商品の美味しさなどもあって、今では大ファンになってます。
遺伝子組換え技術が悪いわけではない
遺伝子組換え技術が、今後技術進歩によって飢餓やエネルギーの問題解決がされることも大切だと思うので、個人的には今は反対とか賛成とかでなく、まずは知るところからです。
でもやはり子育てなどを考えると、少しでも不安があるなら組み換え品は使わないに越したことはないと思います。
しっかり考えてあなたが家庭で使う食品をどうするべきか考えていきましょう。
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