最強最悪の食中毒O157の原因は何?原因と予防対策で子供の命を守ろう

食の安全
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毎年のように食にまつわる事件事故は起きています。その中でも年間通して聞くのが食中毒のニュースではないでしょうか。特に食中毒の中でも恐ろしいとされているのが腸管出血性大腸菌、またの名を「O157」です。

腸管出血性大腸菌と言われてもピンと来ないかもしれませんが、O157なら聞いた事もあるという人も多いのではないでしょうか。小さなお子さんやお年寄りが犠牲になることも少なくなく、人によってはO157=死とイメージしてしまうかもしれません。

そんなO157が怖くて恐ろしいものとはわかっていても、実際原因は何なのか、予防対策はどうやったらいいのか、など知らないことも多いと思います。特に小さなお子さんをお持ちのママさんパパさんに知ってほしい知識をお伝えしていこうと思います。

もくじ

1 食中毒事故の現状
2 最強の病原菌O157の原因とは
 2-1 O157の原因とは 
 2-2 O157のアルファベットと数字の意味とは
 2-3 O157の恐ろしい症状とは
 2-4 O157の感染経路とは
 2-5 O157の強い感染力とは
3 O157に感染したことのある方の体験談
4 O157に感染しない為の予防対策
5 小さなお子さんが居る場合
6 まとめ

1 食中毒事故の現状


現在日本の食中毒事故の現状はどんなものなのか。厚生労働省のホームページに行くと、食中毒についての情報が一般に公開されています。直近で発生した食中毒速報や、過去の食中毒情報など、普段の新聞やニュースでは教えてくれない情報も閲覧でき、とても便利です。

そこで確認できる食中毒統計では、平成28年の食中毒患者数は20252人でその内14人の方が亡くなっています。この数字を多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思いますが、医療や衛生環境が進んでいる先進国の日本でさえ、毎年2万人前後の食中毒患者が出ていることは私にとって驚きです。

そのな中で腸管出血性大腸菌(O26、O111、O128、O157)になった方は1.2%にのぼり、計算すると約243人の方がO157を含む、腸管出血性大腸菌に感染しているのがわかります。

食中毒事故の発生場所、原因施設は60%以上が飲食店です。ただ家庭でも10%発生し約2000以上の方が感染している計算です。ですから家庭だからといって安心はできません。飲食店では不特定多数の人に、飲食物を長時間毎日提供しているので、食中毒が起きるとその度に集団感染してしまいます。

2 最強の病原菌O157の原因とは


ではそんな怖い食中毒ですが、その中でも怖いとされているO157について深く解説していきたいと思います。

O157の原因とは

大腸菌自体は人や家畜など多くの動物が保菌しています。特に牛や豚など人の食生活にも関わりの深い家畜はそれだけ接触の機会があります。そんな中で糞便に汚染された牛肉などから、他の食品に感染してしまう二次感染もあります。

過去の例では、白菜の漬物などから検出されたこともあり、こうしたことからどんな食品からでも感染してしまう可能性はあるということがわかります。

O157のアルファベットと数字の意味とは

そもそもO157のO(オー)とは一体何なのでしょうか?大腸菌とは、人間や家畜の腸内に居る菌です。大腸菌にも色々あり、そのほとんどは無害で特に問題ありません。ただ一部の大腸菌は下痢をはじめとした身体に悪影響を与えるものもあり、それらを病原性大腸菌と言います。

更に病原性大腸菌の中には、腸管内でベロ毒素という毒を出し、腸内を出血させる菌があり、それらを腸管内出血大腸菌と呼び、平成8年に伝染病として指定されました。

O157のO(オー)とは、大腸菌の表面にO抗原とH抗原というものがあり、それにより細かく分類されるのですが、そのO抗原として157番目発見されたものを持つという意味です。なので腸管出血性大腸菌にはO26、O111、O128などがありますが、食中毒事故の主な原因となっているのはO157なので、こうして一般に認知されている訳です。

O157の恐ろしい症状とは

O157は腸管出血性大腸菌とお伝えしてきましたが、名前の通り腸内で出血を起こさせる菌です。腸内でベロ毒素という毒を出し、腸内の粘膜を傷つけ激しい痛みの腹痛や、下痢や血便を引き起こします。

重篤な場合は脳や腎臓などに影響が出るような合併症も併発する可能性があり、命や回復後の後遺症などが残る可能性があります。もちろん症状は人によりますが、小さな子供やお年寄りのような抵抗力が弱い年齢の場合、症状が重症化してしまいます。

潜伏期間は4~8日と長く、一週間程度は潜伏するので、その間に食べた物など覚えていないことも多く、食材もすでに使用されたり保存されていない場合があり、原因になる食材や物の特定が難しいのが特徴です。こうした感染経路をたどることが難しいのも、O157の厄介な点です。

O157の感染経路とは

O157の感染経路は基本的に口からの経口感染で、汚染された飲食物(肉や野菜など)から感染します。

この菌の厄介なところは人から人への二次感染が起き、被害が拡大してしまうことです。潜伏期間が長い事や、軽症の場合は軽い熱の様な症状の為、知らぬ間に周りに感染を広げてしまうんです。

O157の強い感染力とは

発症するのに必要な菌の量を発症菌量と言いますが、その発症菌量が他の食中毒菌と違います一般的な食中毒では10~100万個と言われていますが、O157はなんと100個程度で発症してしまうんです。この発症菌量の少なさも二次感染を引き起こす原因となっています。

3 O157に感染したことのある方の体験談


ここまでの話でO157の怖さは伝わったと思いますが、それでもその恐ろしさや辛さは体験した人にしかわからないことがあると思います。そこで今回実際にO157に罹ったことのある女性に取材させて頂きました。

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お名前は伏せさせていただきますが、どんな経過で、どんな症状で、何が原因だったのかなど、色々と当事者の体験談だからこそ思うこともあると思うので、罹ったことのない人でもイメージしやすく参考になると思います。

体験談

私は28歳、女性です。私が0157に感染したのは2年前の6月で、蒸し暑さが始まった頃でした。感染した原因は家の近くにあるレストランで食べたローストビーフだと思われます。

実際に食べた当日ではなく2日くらい後に症状が出たので断定は出来ません。しかし同じ食事を数日間食べていた母は何も起きず、またそのレストランで母はローストビーフでらなく魚料理を食べていました。唯一数日間の間に食べた違った食べ物であり、0157は牛肉に多いと言われているのでローストビーフではないかと病院でも言われました。

症状が出たのは夜寝ている最中でした。突然、とてつもない腹痛と吐き気に襲われて目が覚めました。トイレに駆け込み、嘔吐した後は下痢が続きました。腹痛も吐き気も治らずに1時間ほどそのままトイレにこもっていました。物音で家族が何事かと目を覚まし出して、何か変な物を食べたのではないかと言われました。その時は誰も0157とは思っておらず、ただの食あたりか腸炎かと思っていたのです。一度トイレから出たものの、もう出るものは無いのに吐き気は治りません。下痢に関してはただただ水っぽいものが止まらず出ていました。

あまりに症状がひどいので救急車を呼ぼうかとも思うくらいでしたが、もう朝方になっていたので病院が開くのを待ちました。病院では検査と点滴をしともらいましたが、時折下痢は出ますし、食べ物は全く受け付けませんでした。0157と判明してからは家族に感染してはいけないので、手拭きなどのタオルは別にしたりアルコール消毒をトイレ等は頻繁に行うようにしました。仕事も行ける状態ではなかったので休みましたし、私が当時病院勤務だったので1週間後の再検査の結果が陰性反応が出るまでは休むように言われました。

2日間くらいはほとんど食べ物は食べられず、スポーツドリンクを飲んでいました。3日目から少しずつゼリーやお粥を食べたり出来ますが少量でした。家族からもなるべく離れていましたし、立つ元気もないのでずっと寝た状態が続きました。5日目には割と元気になりつつあって、うどんなどの麺類を食べていましたし、下痢や吐き気も収まっていました。1週間後の再検査では無事に陰性が出て、その後の後遺症も幸いありませんでした。

それ以降ローストビーフなどのあまり焼けていない牛肉が怖くて食べれなくなってしまいました。また夏場の生物にはあまり手を付けなくなりました。もう2度と感染したくないからです。ただの食あたりも腸炎なども経験したことがありますが、0157が一番下痢や嘔吐もひどく辛いものでした。

やはり実際に体験された方の話は説得力があります。その後の食に対する不安なども出てしまい、想像を絶する辛さなんだろうなぁと改めて思いました。

実際この方は、飲食店でローストビーフのような生に近い料理を食べたことが原因みたいですし、食中毒やO157の注意しなければいけない点とも合致しています。外食は息抜きやリフレッシュに欠かせないもですし、嫌いな人は少ないと思うので、色々と考えさせられてしまいますね。

4 O157に感染しない為の予防対策

飲食店でも家庭でも予防の仕方は変わりません。O157の発生状況は食中毒事故全体の割合から見れば、少ないかもしれませんがそれでも強い感染力や潜伏期間の長さを見ても、二次感染の危険があり集団感染する危険もあるので、予防対策は必要です。

O157だけでなく食中毒菌やウイルスに対する予防は、菌を「付けない、増やさない、やっつける」の三原則です。

手洗いを徹底して菌を持ち込まない。キッチンや調理用具を綺麗に保ち菌を増やさない。熱湯や漂白剤、アルコールスプレーなどで菌をやっつける。そういうことを普段から徹底して家庭で食中毒を起こさないようにしましょう。

最初にお伝えした通り、統計を見ると食中毒全体の発生場所原因施設の60%以上は飲食店で起きているので、外食を控えたりするのも被害にあう確率が低くなるのかなと私は思います。

ただ夏場(6~9月)は食中毒菌にとって、湿度や温度といった条件が重なり危険が高まります。実際事故件数も多くなります。夏は外でバーベキューやビアガーデンなど、野外での食事も楽しめる季節になるので、特に注意が必要です。

バーベキューなど屋外での調理の場合、衛生管理や食材管理が家庭と違い難しく、肉や魚など十分な加熱ができ、生焼けで食べてしまうことでさらにリスクを高めてしまい、問題になっています。

5 小さなお子さんが居る場合


小さな子供にとってO157は脅威でしかありません。O157の怖いところは子供やお年寄りに大きな被害をもたらす点です。

牛肉豚肉の生肉、レバーなどの生食の提供は、平成に入って法律で禁止になりました。この背景には、焼き肉チェーン店で起き死亡者も出た食中毒事故が発端となっています。この事件では集団感染はもちろんですが、亡くなった方の多くが未成年の子供やお年寄りに集中していた事が問題となりました。

元々、こういった免疫力や抵抗力が低い子供やお年寄りはO157の犠牲になりやすいとされているので、特に注意が必要となります。

焼き肉に関わらず、小さな子供は口に何かを入れてしまう機会も多くあり、自分の体調に対して意思表示もしにくい年齢です。やはり親であるまわりの大人がしっかりと普段から衛生管理や知識をつけておくことが最初の予防対策だと私は考えます。

6 まとめ

・食中毒に関する情報は厚生労働省のホームページに一般公開されている。
・毎年約2万人が食中毒に感染している。
・食中毒は主に飲食店で発生しているが、家庭も安心できない。
・O157の特徴は強い感染力と毒性の強さ。
・食中毒の予防対策は、菌を「つけない、ふやさない、やっつける」の三原則が大切。
・食中毒が多発する6~9月は、バーベキューなど野外での食事注意する。生焼け注意。
・子供やお年寄りはO157の影響を受けやすいので、意識して衛生管理を徹底する。

この記事を書くにあたって、O157食中毒の体験者の声を聴くことが出来ました。今まではニュースや仕事で知識としては知っていましたが、リアルな体験をこうして聞いたのは初めてだったので、改めて食中毒やO157の恐ろしさ感じました。

私も親としてしっかりと衛生管理や食事管理の徹底をしていかないといけないと思っています。子供が小さい大きいにかかわらず、今回の女性のように成人した健康な女性でも感染してしまうことも往々にしてあるので、日々の意識が大切だなと感じています。

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