ナスって栄養ないの?あるの?食べた方が良い4つの理由

野菜の知識

いきなりですが、ナスって栄養あると思いますか?栄養ないと思いますか?ナスは、夏に旬を迎える野菜の代表格ですよね。僕は大好きな野菜です。

水分が多く含まれているので栄養がないと思われがちですが、ナス特有の栄養だったり、他の野菜に負けない魅力がいっぱいあります。

そこで今回は、野菜ソムリエの僕が本当にナスには栄養あるの?ないのか?そんな疑問に答えていきます。

一緒にナスの効果や効能、そして効率的な食べ方も解説していきます。

もう、「ナスに栄養はない…」なんて言わせません!



ナスは栄養ないの?成分と効果

ナスって、ワイドショーや健康番組でも取り上げられることの少ない野菜という印象があります。

だからといって栄養がない訳、ないじゃない!とナスの代わりに言っておきます。笑

僕から言わせてもらえば、まだまだ知られてないだけなんですよ。

栄養がないと言ってもそれは他の野菜の、何と比べて言っているの?と。

実際、私が野菜ソムリエになる時に、講義の先生がナス農家の方だったんですが、ナスを熱く語るカッコいい先生でした。それくらい見る人から見ると魅力的な野菜の一つなんです。

ここではそんなナスの栄養成分と効果について、しっかりご紹介していきます。

ナスの栄養紹介ポイント
  • 水分とカロリー
  • カリウム
  • 食物繊維
  • ナスニン

水分とカロリー

ナスは確かに他の野菜と比べると、ビタミンなどが多少劣っているかもしれません。ただ水分が豊富でヘルシーな野菜とされています。

ナスに栄養がないと言われている理由として考えられるのが、水分量が多いのとカロリーが低いことです。

ナスの水分量

ナスの品種の中には「水茄子」と言われる、水分量を通常よりも多く含んでいるナスも存在しており、水分量の多さでは折り紙付きです。

昔は、夏の暑い時ナスを食べて水分補給をしていたほどだそうです。

実際、私の祖父母は畑でナスを食べたことがあると話を聞いたことがあります。

栄養成分を見ても90%以上が水分なので、「水=栄養ない」と思われている理由かもしれません。

ダイチ
ダイチ

水茄子は名前の通り水分が多く、灰汁が少ないので生食に向いてます。夏はスライスしてサラダや冷汁に使っても、茄子の甘み旨味が引き立って美味しいですよ。

カロリーが低い

野菜は基本的に低カロリーで、ダイエット時にも当然積極的に摂取して欲しい食材ですが、ナスは野菜の中でも比較的カロリーが低い方の野菜です。

一般的な野菜100gあたりのカロリーを比べてみると、

野菜名/状態カロリー量
キャベツ/生 
23kcal
トマト/生 
19kcal
人参/生 
36kcal
ジャガイモ/蒸し 84kcal 
玉ねぎ/生 
37kcal
枝豆/茹で 134kcal
ナスのカロリー量
ナス/茹で 
19kcal
ナス/生 
22kcal

このようにナスのカロリーが特質低いわけではありません。

一番ではないものの、他の野菜(イモ類や豆類など)と比べると比較的カロリーが低いので、「カロリー低い=栄養ない」と思われてしまっているのかもしれません。

ダイチ
ダイチ

栄養価の低いと思われている野菜(キュウリやもやし)なども、カロリーだけ見たら低いかもしれないけど、それぞれに良い栄養があるので、やはりバランスよく食べるのがベスト。

カリウム

ナスの栄養で注目したい栄養素に、カリウムがあります。

カリウムは身体に必要な5大栄養素のミネラルの一つです。カリウムの働きはナトリウムの排出を促したり、身体の老廃物を排出してくれる役割があります。

それにより高血圧予防などにもなっていきます。また女性の大敵「むくみ」も改善してくれるので大切な栄養です。

カリウムが不足すると倦怠感や食欲不振になります。夏場の暑さで汗とともにカリウムも排出されてしまうので、夏バテでダルかったりご飯が進まないのは、カリウム不足が関係しているかもしれません。

食物繊維

実はナスは食物繊維が豊富な野菜なんです。こちらも代表的な一般野菜と比べると、比較的食物繊維があるのがわかります。

野菜名/状態水溶性食物繊維量不溶性食物繊維量食物繊維の総量
トマト/生 水溶性食物繊維 0.3g 不溶性食物繊維 0.7g総量 1.0g
人参/生 水溶性食物繊維 0.6g不溶性食物繊維 1.8g総量 2.4g
ジャガイモ/蒸し 水溶性食物繊維 0.6g不溶性食物繊維 1.2g総量 1.8g
玉ねぎ/生 水溶性食物繊維 0.6g不溶性食物繊維 1.0g総量 1.6g
枝豆/茹で 水溶性食物繊維 0.5g不溶性食物繊維 4.1g総量 4.6g
 
ナスの食物繊維
ナス/生 水溶性食物繊維 0.3g不溶性食物繊維 1.9g総量 2.2g
ナス/茹で 水溶性食物繊維 0.7g不溶性食物繊維 1.4g総量 2.1g

また、こちらの記事(食物繊維について)でも紹介している様に

食物繊維といっても、食物繊維の水溶性と不溶性のバランスが重要となってきますが、ナスは茹でた場合、丁度1:2なので理想的なバランスと言えます。日ごろ便秘になりがちな女性にとっては思わぬ効果です。

ナスニン

ナスに含まれる栄養で、今最も注目を集めているのが「ナスニン」です。

名前の通り、ナスニンというだけあってナスに多く含まれる栄養です。もうナスだけにナスニンって、名前だけでどんな栄養なんだ?と気になる所だと思います。

ナスの栄養特徴ナスニンとは?

ナスニンとは

ではナスニンとは一体どんな栄養素なんでしょうか?

ナスニンは、ナスの皮に含まれるポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持っています。あの独特な紫色の皮に入ってるんですね。

身体をサビつかせる活性酸素を抑制してくれるので、ガンや生活習慣病などの予防に役立ちます。

熱に強い

健康に良いとされる栄養素は沢山ありますが、熱に弱い栄養素(ビタミンCなど)もあり、知らず知らず調理過程で失われてしまう場合も多々あります。

ただナスニンは熱に強い健康成分なので、心配はいりません。安心して加熱調理できます。

目に良い

目に良く、眼精疲労などに効果的と言われているのが、ポリフェノールです。

ポリフェノールの中でも有名な成分がアントシアニンです。あなたも一回は聞いたことがあるでしょう。

ナスニンもアントシアニン系の栄養成分です。そう言われてみれば同じ色をしていると思いませんか?ナスが目に良いなんて意外ですよね。

ナスニンの弱点

色々とここまでナスニンのメリットについてお伝えしてきましたが、ナスニンにも弱点があります。

それは水に溶け出してしまうということです。

ナスニンは水溶性のため、どうしても水に長時間浸したりすると、溶け出てしまうんです。折角、身体に良い成分である抗酸化物質をむざむざ捨てている事になります。

灰汁抜きで流水する方も多いと思いますが、長時間の灰汁抜きには注意が必要です。

ナスの栄養を効果的に摂る食べ方

ここまで読んでくれたあなたは、ナスに栄養がないダメ野菜でないことは分かっていただけたはずです。

ここではナスを栄養を余すことなく身体に取り込む、効果的な食べ方をお伝えしましょう。

ナスの栄養を効率的に食べる方法
  • 灰汁抜きしない
  • 皮を剥かない
  • 油を使う

家庭でも簡単にすぐ実践できるので、ぜひ覚えて日々のお料理に活かしてみてください。

灰汁抜きしない

灰汁(あく)とは、一般的に料理の味をぼやかしてしまう様な、苦味やえぐ味などのことです。

ナスもこの灰汁があり、ご家庭では灰汁抜きする場合もあるでしょう。ただ現代のナスは品種改良も進み、そこまで苦味やえぐ味は感じないというのが私の感想です。

確かに昔のナスは灰汁抜きを必要としていたのかもしれませんが、今は特に必要ないのではないかなと思ってます。

実際、僕の祖母も「昔はクセがあった」などと言っていました。

先程もお伝えしたように、灰汁抜きの為に水に浸していおくと、ナスの抗酸化物質ナスニンが出ていってしまいます。

こうしたことから、そこまで灰汁抜きに拘る必要はなく、あえて灰汁抜きをしなくてもいいのではないでしょうか。

ダイチ
ダイチ

水に浸して灰汁抜きすることで、ナスの切り口の変色を防ぐ効果もあるので、5分位の短い時間の灰汁抜きはあり。

皮を剥かない

ナスニンは主にナスの皮に含まれています。あの独特の黒紫色は、ナスニンの色と言っても過言ではないです。

ということは、皮を剥いてしまうとむざむざスーパー成分ナスニンを捨ててしまうことになります。これは結構もったいないことだと思います。

なので私は皮を捨てずに食べることを推奨しています。ただ歯が悪いお年寄りなどは嫌がる場合もあるので、調理の仕方に工夫が必要です。

品種(米ナスなど)によっても皮が硬いナスがあるので、用途や種類によって使い分けていきましょう。

基本的にスーパーで売っている通常のナスや長なすは、特に気にしなくて良いと思いますので、皮付きのまま軽く水洗いして使用してください。

油を使う

ナスは油との相性が良い野菜です。素揚げでも良いですし、油をひいてフライパンで焼いただけでも美味しいです。

またナスニンの吸収率も高くなって、まさに美味しさと栄養の相乗効果が期待できます。

ただ注意点としては、ナスは油を吸いやすいので、必要以上に油を使いすぎると余分に油摂取することになるので、注意しましょう。

[chat]ナスはイタリア料理でもよく使われる食材です。オリーブオイルやトマトとも相性が良いので、使い勝手も抜群ですよ。[/chat]

まとめ

・ナスはカロリーが低く水分が多いため、栄養がない野菜と思われがち。
・ナスの栄養はそこまでないわけではない。
・ナスにはナスニンという抗酸化物質が含まれている。
・ナスニンは熱にも強く油とも相性が良いが、水に溶け出すので灰汁抜きし過ぎは注意。

いかがだったでしょうか?

もうナスに栄養がないなんて言えませんよね。むしろ、とても魅力的な野菜だと思います。

特にポリフェノールの一種である「ナスニン」は今注目の栄養素です。正直この記事を読んでこれだけでも覚えて帰ってほしい栄養成分ですね。

ナスニンはナス以外の野菜果物にも含まれていますが、やはり名前の由来であるナスから食事として自然に摂取するのが一番良いでしょう。使い勝手と季節にあまり左右されずに手に入るので、お料理に活かしやすいと思います。

予防医学の点でも、ガンや生活習慣病、高血圧や眼精疲労など、身体に広く良い成分なのでこまめに食事で摂っていきたいですね。

今回はナスの栄養についての記事でした。ぜひこの記事をきっかけにナス好きの人たちが増えると嬉しいです。

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