夏は暑く、毎年夏バテする人も少なくありません。そんな夏バテ予防に、効果を発揮してくれる野菜、それが「ゴーヤ」です。
ゴーヤは夏ならではの野菜と言ってもいいです。ゴーヤチャンプルーを食べると夏だなぁなんて感じる人も多いでしょう。
それでもいくら栄養満点だからといって、あの強烈な苦味が苦手という人も多く、そこまでして苦いゴーヤを食べなくても…と思っている人も多いはず。
そこで今回はそんなゴーヤの栄養やその効果効能について、しっかり解説していきます。
ゴーヤの栄養効果ってどんなものがあるの?
あなたもゴーヤは健康に良いとか、夏バテ予防に効くとか、一度は耳にしたことがあると思います。
ですが聞いたことがあっても、実際「どんな栄養・どんな効果」があるかは、詳しく知らない人がほとんどではないでしょうか。
そこで、まず始めにゴーヤの栄養効果についてお伝えしていきます。
ゴーヤ(苦瓜)とは
ゴーヤとは沖縄の方言で「ゴーヤー」や「ゴーラ」などと言い、沖縄本島や離島で多少違いがあります。
ただ本州の人は「ゴーヤ」や「苦瓜(にがうり)」などと呼ぶことが多く、この方が馴染みが深いかもしれませんね。
独特の強い苦みが特徴で、5~9月頃まで本州でもスーパーなどで手に入れる事ができます。
最近では東京でも沖縄料理屋さんが結構あり、沖縄料理も身近に感じます。ゴーヤーチャンプルーやゴーヤチップスなどがポピュラーな食べ方です。
また食用だけでなく学校やオフィスの日差しよけとして、グリーンカーテンなどにも利用されています。
ゴーヤの正式な名前は「ツルレイシ」と言い、レイシとはフルーツのライチの事。その見た目が似ていることから由来しています。そう言われてみれば…似てなくもないよね。
ゴーヤの栄養効果
ゴーヤの栄養効果は、夏バテ予防から改善、糖尿病予、生活習慣病の予防まで多岐にわたり、豊富なビタミンCによって美容効果も期待できます。
ゴーヤの栄養成分とは
それではゴーヤの栄養成分について詳しく解説していきます。
今回もゴーヤの栄養を全て解説していくと、日が暮れてしまうので、私が独断で選ぶ特徴成分についてお伝えしていこうと思います。
ゴーヤはビタミンCが豊富
ゴーヤはビタミンCが豊富に含まれています。含有量は、生の場合100gで76mg、油で炒めた場合は75mgとなっており、
その量は同じ様に苦味を持つピーマンと並び、野菜の中でもトップクラスです。
ゴーヤのビタミンCは加熱に強い
ゴーヤのビタミンCは少し特別です。ビタミンCの特性については、ブロッコリーの記事でもお伝えしたとおり、加熱に弱いという弱点があります。
ですが、ゴーヤに含まれているビタミンCに限っては、熱に強い性質を持っています。
ということは、本来炒めたり茹でたりすることで流出してしまう、ビタミンCの減少が少ないということです。
ただ強いと言っても他の野菜と比べてということなので、やはり加熱のし過ぎはビタミンCの損失につながるので注意が必要です。
ゴーヤの苦味成分
ご存知の通り、ゴーヤの特徴は強い苦味にあります。そして健康の源とされる栄養も、この苦みにあるとされています。
ゴーヤに含まれる苦味成分は
・チャランチン
・コロソリン酸
です。えっと・・・正直聞いたことない名前ばかりで、なんのこっちゃわかりませんよね。笑
ですが、この3つの栄養こそがゴーヤの凄い部分なんです。
モモルデシン
モモルデシンはゴーヤの苦みに含まれる成分で、胃を刺激して胃液の分泌を促します。
それにより夏バテの原因でもある、食欲不振を改善してくれる効果があり、疲労回復にも効果があります。
また血糖値の上昇も抑えてくれるので、糖尿病や生活習慣病などの予防にも効果的です。
チャランチン
こちらのチャランチンも糖尿病への予防効果が期待できます。
インスリンの分泌を活性化させ、それにより血糖値を下げて、安定させる効果が期待できます。チャランチンは別名、「植物インスリン」とも呼ばれているくらいです。
また血糖値だけでなく、コレステロール値もさげてくれるので、やはり生活習慣病の予防や、ダイエットなどにも効果が期待できます。
コロソリン酸
コロソリン酸も植物インスリンの一つで、血糖値を安定させてくれる効果が期待できます。
しかもコロソリン酸の凄いところは、血糖値を下げ、元々低い場合は特に影響しないという点です。
なんだか都合の良い気もしますが、そういった研究結果も出ています。
ゴーヤの栄養妊婦への影響は?
ここまでゴーヤの特徴的な栄養成分や効果を聞いてしまうと、早速食べたくなってしまいますよね。ですが、ちょっと待ってください。
Googleで「ゴーヤ 栄養」と検索すると、「妊婦」と検索欄に出てきます。これはそれだけ調べられているということなんですが。
どうやら妊娠中にゴーヤを食べて良いのか、影響を知りたいといった方が多いのが理由でしょう。
栄養満点のゴーヤですが、実は妊娠中のママさんは少し注意が必要かもしれません。
ゴーヤが妊婦には危険!?
世間では「ゴーヤを食べると流産する!」という恐ろしい噂が出回っています。まあ確かにそれくらいあの苦みは強烈ですが…。笑
ただこの噂には理由があります。
ゴーヤは身体を冷やす
夏野菜や冬野菜といった、その季節に旬を迎える多くの野菜は、身体を冷やしたり、温めたりする効果があるんです。
当然、夏野菜であるゴーヤも身体を冷やす効果が期待できるので、夏バテ予防にも効果を発揮してくれるわけです。
ただどうしても沢山食べることで身体が冷え気味になり、母体にとってはあまり良い影響ではありません。
それでなくても夏は冷房で冷えやすく、そもそも女性は冷え性の方も多いですから。
モモルデシンの摂り過ぎ
また苦味成分の部分でお伝えしたモモルデシン。適度な量であれば胃液の分泌を活性化させ、食欲増進などで夏バテ予防にもなります。
やはりこちらも過度に食べ過ぎたりすると、胃液が出過ぎたりして胃もたれや、下痢を引き起こす恐れがあります。
極度にそういった状態に陥れば、最悪の場合流産になってしまう可能性があるかもしれません。
可能性がないわけではない
今回この記事を書くに当たって、更に詳しく調べると、今のところ動物実験ではゴーヤの成分が、妊娠に影響を及ぼすという研究結果があるのは確かです。
ただこの研究結果も人間での結果ではなく、あくまでも可能性があるという文にとどめているので、実際にはまだまだ研究段階の情報でしょう。
正直、食べない理由を探すより、食べた時のメリットの方がはるかに大きいと思っています。
安心材料として聞いてほしいんですが、産婦人科の病院食でもゴーヤが普通に出てきたりします。笑
そして、ゴーヤが間違いなく妊婦さんに影響するのなら、今頃沖縄県の人たちは流産した女性だらけでしょう。でも実際は違いますよね?
ゴーヤとの付き合い方
僕の意見にはなりますが、やはり極端に食べ過ぎなければ、特段気にすることではないのかなと思います。何事もバランスが大事です!
薬だって適切な量であれば病気は治りますが、大量に飲めば死んでしまうこともあります。
もしそれでも不安があればゴーヤを食べなければいいだけのことですし、いくら栄養満点だからと言って、ゴーヤだけの栄養では食事は成り立ちません。
何度もこのサイトでもお伝えしている事にはなりますが、なんでもバランスが大事だという事です。
まとめ
・ゴーヤはビタミンCが豊富。
・ゴーヤのビタミンCは、他の野菜と比べて加熱しても壊れにくい。
・ゴーヤの苦味成分(モモルデシン、チャランチン、コロソリン酸)が健康成分である。
・ゴーヤを過度に食べれば身体に悪影響が出るかもしれないが、それはどんな食べ物でも一緒。
・ゴーヤは妊婦さんも食べて大丈夫。心配なら無理して食べない。
いかがだったでしょうか。今回は夏野菜の代表「ゴーヤ」の栄養についてお伝えしました。
栄養効果を知ったら、もう食べない理由はないですよね。
最近ではゴーヤ由来のサプリメントや、青汁にも配合されているそうで、ますます注目されていく野菜だと思います。
「良薬口に苦し」と昔から言いますが、まさにその通りですね。
ゴーヤが妊婦に及ぼす影響については、現段階では確かな事が言えません。今後の研究結果次第で、今回の記事内容と違ってきてしまう事もあるかもしれません。
今後ベジタブル大学でも追ってリサーチしていきます。
僕もアラサーになって、やっと苦みの美味しさがわかるようになった今日この頃なので、今後もゴーヤを沢山食べていきたいと思います。
もちろん食べ過ぎには注意しまーす。笑