梅雨の時期に旬を迎えるのが、「らっきょう」です。独特の匂いが特徴で、酢漬けなどにして漬物として食べるのがポピュラーです。
どうしてもカレーの添え物としての印象が強く、脇役感が否めない野菜ですが、栄養成分を知ると、十分主役をはれるとあなたも思ってくれるでしょう。
ということで今回は、らっきょうの栄養効果や特徴成分、一日に食べていい目安量について解説していきたいと思います。
[mokuji]らっきょうってどんな野菜?
らっきょうの栄養や効果をお伝えする前に、そもそも「らっきょう」ってどんな野菜でしょうか?
らっきょうは薬草だった
らっきょうの原産は中国で、その中国から伝来し日本でも平安時代から食されていたとされています。
ただその頃の利用法は食材というより、薬草(薬用)としての利用が主で、今のように食卓を飾るようになったのは江戸時代くらいとされています。
[chat] らっきょうは昔、「畑の薬」とも言われていたくらい、栄養効果に優れていたんだ。[/chat]
らっきょうはどの部分
らっきょうを根っこだと思っている人もいますが、正確には根っこの上、茎部分を食べています。
鱗茎(りんけい)と言い、にんにくや玉ねぎなどもそうです。実際には根はその下にあります。
玉ねぎも下に根があります。
らっきょうの栄養効果
では、気になるらっきょうの栄養効果についてお伝えしていきましょう。
始めにお伝えした通り、昔は薬用として利用されていました。ということは栄養効果に期待ができますね。
注目する栄養は
食物繊維(フルクタン)
カリウム
硫化アリル
硫化アリルは匂いや辛味の成分です。にんにくやニラ、玉ねぎにも含まれています。
あなたは玉ねぎを切って涙が出た経験はありませんか?それは硫化アリルのせいです。
そんな厄介な硫化アリルですが、メリットも沢山あります。
食欲増進効果
硫化アリルは消化液の分泌を促進して、食欲を増進させる効果が期待できます。
血液サラサラ効果
血液を固まりにくくする効果もあるため、血液がサラサラになります。なので血行促進効果で動脈硬化予防も期待できます。
血行が良くなるので、代謝もよくなり、ダイエット効果も期待できます。
ビタミンB1とも相性抜群
硫化アリルそのものも栄養効果がありますが、他の栄養素の働きをサポートする役割もあります。
その中でもビタミンB1との相性は抜群です。ビタミンB1は疲労回復などに必要な栄養素ですが、硫化アリルはこのビタミンB1の吸収を助ける効果があります。
[chat] だからポークカレーにらっきょうは、栄養的にも理に適っている食べ合わせなんだ。夏バテ予防にも最適。カレーのスパイスとらっきょうの硫化アリルで、更に食欲が増すね。[/chat]
食物繊維(フルクタン)
らっきょうは食物繊維が豊富です。らっきょうと同じく鱗茎を食べる野菜としてニンニクも食物繊維が豊富なんです。
特に食物繊維の中でも水溶性食物繊維のフルクタンが豊富です。生のらっきょうには100g中18.6gも水溶性食物繊維が含まれていて、食物繊維の総量は20.7gも含まれています
これは他の野菜と比べても多く、便秘予防や解消にも期待ができます。
ちなみに食物繊維が豊富とされるゴボウやサツマイモと比べても、
サツマイモ/焼き 3.5g
なので、らっきょうの食物繊維の量が、他と比べても圧倒的なのがわかります。
食物繊維は一日約18~20gが摂取目安となっているので、仮に生らっきょうだけ100g食べただけで一日分を補えてしまいます。
[chat] ただ現実的にらっきょうを食べるとすると、生で100g食べるのは困難です。らっきょうは漬物になると食物繊維量は少なくなるので、そこは覚えておこう。[/chat]
カリウム
カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)や水分を排出してくれる働きがあります。むくみや高血圧予防に効果があります。
らっきょう一日の摂取目安量
ここまで、らっきょうの栄養やその効果についてお伝えしてきましたが、一日どれくらい食べればいいのでしょうか。
いくららっきょうが体に良いからと言って、食べ過ぎはよくありません。もともと古くは薬用として使われていた事を考えると、少し不安になると思います。
らっきょうは一日5粒まで
では、一日の食べていい目安量はどれくらいが良いのか?
それは5粒くらいを目安に食べていきましょうです。
市販品(甘酢漬け)や自家製などで大きさが異なるので、一概にも何粒とは言いにくいですが、市販品は5粒くらい。自家製で大粒であれば3粒くらいで十分です。
というのも、らっきょうは硫化アリルが豊富に含まれているとお伝えしましたが、人によっては胃や腸が荒れてしまう恐れがあるからです。
健康目的で食べているのに、胃痛や下痢などになっては本末転倒です。今は薬ではないですが、その昔薬用として使われていたことを考えると納得ですよね。
[chat] カレーに付いてくる量って3~5粒くらいですよね。一日あれくらいの量を食べればOKなので、毎食食べると多いと覚えておこう。朝食べると匂いが気になるから、食べるなら夕飯が良いね。[/chat]
らっきょうの注意点
らっきょうをどのくらい食べて良いのか、一日の目安量を知ったところで、最後にらっきょうを食べる時の注意点をお伝えしていこうと思います。
硫化アリルの他にも気をつけないといけないポイントがあります。まとめてみました。
漬物の塩分糖分
水溶性
殺菌
臭くなる
言わなくてもわかることですが、単純に臭くなります。近くで食べたらすぐわかりますよね。
口臭ももちろんですが、ゲップやおならも当然臭くなります。汚いですが、事実なんです。
なので食べるとしたら、外出をしない夕飯に食べるのが良いでしょう。あとは寝るだけの状態、夕飯なら周り迷惑をかけなくて済みます。
いくら健康的だとしても、マナー的に匂いケアは大切です。
[chat] ちなみに私が実家にいた頃、母はらっきょうが苦手だったので、近くで食べるなと怒られたことがありました。笑[/chat]
漬物の塩分糖分
らっきょう自体は栄養満点ですが、基本的に生らっきょうを食べる機会は中々ないでしょう。
やはり市販品か自家製の甘酢漬けが多いと思います。この甘酢漬けですが、注意したい点は塩分と糖分です。
食べるとわかりますが、加工品なので結構甘じょっぱいです。
美味しいからと言ってバクバク食べてしまっては、塩分糖分の過剰摂取になってしまい、高血圧や糖尿病が気になります。
健康目的で食べるなら本末転倒です。なので一日の目安量(3~5粒くらい)は守りたいポイントです。
水溶性
実はここまで述べてきた、らっきょうの栄養は全て水溶性の栄養です。つまり水に溶けだしてしまう性質なんです。
なのでらっきょうの甘酢漬けなどの加工品は、調味液に栄養が出てしまっていると考えられます。
だからといって栄養がゼロなわけではないので、食べること自体は無駄ではなく、心配ありません。
栄養が出てしまった調味液も普段の料理に使って取り込んでいけば無駄にはなりません。他の野菜やを漬けてみたり、マリネなどの料理に活用していくのが良いでしょう。
殺菌
最後にこれは調理に関してになってしまいますが、大事なことなのでお伝えします。大事なのは殺菌を意識して行って欲しいです。
自家製のらっきょう漬けを作る際は、漬け込む容器の殺菌、らっきょうも軽く湯通しして殺菌しないと、漬ける過程で雑菌が繁殖し、腐る原因になってしまいます。
腐ってしまっては、栄養や美味しさも話になりません。
らっきょうの旬である6~7月は梅雨どきで、食材が腐りやすい時期です。食中毒も増える季節なので、十分意識して調理していきましょう。
まとめ
[matome] ・らっきょうは昔、薬用として用いられていて「畑の薬」とも言われるくらい、栄養価が高い。・らっきょうは硫化アリルという匂いや辛味成分が多く含まれている。
・硫化アリルは、食欲増進、血行促進、ビタミンB1を助ける働きがある。
・らっきょうの一日の目安量は3~5粒くらいが好ましい。
・らっきょうを食べすぎると、胃腸を刺激して胃痛や腹痛になる恐れがある。
・らっきょうの最も健康的な食べ方は生食だが、市販品の場合は塩分糖分に気をつける。
[/matome] いかがだったでしょうか。脇役のイメージが強いらっきょうですが、十分主役をはれるくらいの栄養がありますよね。
どうしても匂いがキツいので、女性には嫌煙されがちだと思いますが、夜なら心配ないと思います。食べるようも多くはないので食べやすいのではないでしょうか。
らっきょうの旬は梅雨時で、夏バテ予防にはうってつけの時期です。らっきょうを食べて夏バテになる前に予防していきましょう。